レトルト食品

うり

2009年03月20日 11:03


レトルト(Retort)とは、もともと蒸留釜という化学用語であるが、現在一般には加圧下で100℃を越えて湿熱殺菌することを意味する。

加熱時間が長いと食品の熱劣化を引き起こすし、細菌には100℃でも死なない耐熱菌がおり、このような常圧の条件では完全殺菌は不可能である。そこで必要に応じて100℃を越える加圧加熱殺菌が行われている。湯煎を利用した場合、水の沸騰温度(100℃)以上には加熱できないが、蒸気や加圧熱水を利用すると100度を超えて加熱することができる。これがレトルト殺菌である。100℃を越える温度で加熱した場合、冷却時に袋内圧が高くなって破袋するので、加熱時以上に加圧し、圧力調整しながら冷却する必要がある。温度、時間、圧力を精密に調整できる装置が必要で、ボイル殺菌装置とは比較にならないくらいイニシャルコストは高い。

レトルト食品と関連法規

 厚生省告示第17号「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」の規格基準ではPHが5.5を越え、かつ水分活性が0.94を越えるものを加圧加熱殺菌する場合、中心温度※120℃、4分間、または、これと同等以上の効力を有する方法により殺菌しなければいけないことになっている。

 容器包装の規格では、厚生省告示20号で、①定められた材質試験、溶出試験に適合していること、②成分の油脂が酸化しやすいものについては遮光性があり、気体透過性のないものであること、③耐圧縮試験で水漏れがないこと、④シール強度は2.3Kg/15mm巾以上であることなどが定められている。なお、JAS規格では耐圧試験は50Kg/分、突刺強度は0.60Kg以上であるこという強度規格もあり、また、レトルト食品の容器包装は「機密性および遮光性を有するものに限る」と明記されているので、アルミ構成が基本となり、アルミ箔のない、半透明ないし透明の容器や袋は、JASではレトルト食品の定義からは外れる。


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